肋骨の走行に沿って起こる痛みを「肋間神経痛」といいます。

肋間神経痛は、何か特定の病気を示すわけではありません。

坐骨神経痛と同様、末梢神経の支配領域に生じる痛みの総称を指しています。

何らかの原因で肋間神経が圧迫、刺激されることにより、突発的に肋間神経痛の症状があらわれます。

背骨は、上から頚椎、胸椎、腰椎、仙骨がブロックのように積み重なり、形成されています。

その中の胸椎（胸髄：背骨の中を通る脊髄）から出て、12対の肋骨に沿って走行している神経が肋間神経です。

肋間神経は、背中や胸、腹部などの知覚や運動に関与するといわれています。

肋骨の走行に沿って帯状に走る痛みが、肋間神経痛のおもな症状です。

背中から脇腹、胸の前面やおへそ辺りに痛みがみられやすいです。

また、患者様によっては、足の付け根まで痛みを生じる場合があります。

その他、咳やくしゃみで痛みが響いたり、身体をねじる、横に倒すなどの動きで痛みが悪化したりするケースもよく見受けられます。

痛みの出方は個人差があり「急に電気が走るように痛む」「じくじく、ピリピリと痛む」「脇腹に触れるだけで強く痛む」などさまざまです。

基本的に肋間神経痛の症状は、左右どちらか一方だけにみられます。

肋間神経痛を放置していると、日常生活において次のような悪影響がおよぶ可能性があります。

睡眠不足

睡眠中に肋間神経痛の症状が起こる場合があります。

痛みによって夜中に目が覚めるため、睡眠不足になってしまう可能性があります。

食欲不振

背中や脇腹、胸の強い痛みが繰り返されることで、食欲が低下してしまう方がいらっしゃいます。

不良姿勢・肩こり

突然の激しい痛みで腹部やみぞおちあたりの筋肉がこわばり、背中を伸ばせなくなる場合があります。

不良姿勢によって、首や肩まわりに緊張が広がるため、肋間神経痛から肩こりを引き起こすケースも見受けられます。

狭心症や心筋梗塞、心筋炎、肺気胸といった内科的疾患から、肋間神経痛のような症状が引き起こされている場合があります。

姿勢に関係なく持続した痛みがある際は、帯状疱疹含む何か内臓の病気が疑われます。

命に関わるケースもありますので、肋骨周辺の痛みが続くときは早めに医療機関にご相談ください。

病気がみつからない肋間神経痛であれば、接骨院の施術やセルフケアによって症状の緩和を目指すことができます。